地震・台風・豪雨・大雪。高齢者は体力・判断・情報入手の面で災害に弱く、犠牲者の多くを占めます。「命を守る仕組み」を日頃から準備しておきましょう。
1. 高齢者の災害脆弱性
移動が遅い・情報が届きにくい・服薬が必要・認知症で混乱しやすい・社会的孤立。複数のリスクが重なり、避難の判断と実行が遅れがちです。東日本大震災では犠牲者の約6割が65歳以上でした。
2. 避難行動要支援者名簿
市町村が、災害時に自力避難が困難な方の名簿を作成します(災害対策基本法)。要介護3以上・一人暮らしの高齢者・障害者などが対象。希望すれば民生委員・自治会・消防に共有され、安否確認や避難支援につながります。
3. 個別避難計画
2021年の法改正で、市町村に作成努力義務が課されました。本人・家族・支援者・ケアマネが一緒に「いつ・誰が・どこへ」避難させるかを具体的に決めておく計画です。ケアプランと連動して作成すると効率的です。
4. 福祉避難所
一般避難所での生活が難しい方のための専用避難所で、特別養護老人ホームやデイサービス事業所などが指定されています。バリアフリー・医療職常駐・要配慮者向け備蓄が整っており、ケアマネ経由か市町村への申請で利用可能です。
5. 在宅避難の準備
- 水:1人1日3L×3〜7日分
- 食料:レトルト・缶詰・栄養補助食品×3〜7日分
- 常備薬・お薬手帳のコピー
- 携帯トイレ・大人用おむつ・ウェットティッシュ
- 懐中電灯・ラジオ・モバイルバッテリー
- 連絡先リスト・保険証コピー
6. 介護事業所のBCP(事業継続計画)
2024年4月から全介護事業所にBCP策定が義務化されました。災害・感染症で人員不足やライフライン停止が起きてもサービスを継続するための計画です。年1回以上の訓練と研修もセットで実施します。
7. 安否確認の手順
災害発生後、ケアマネ・訪問介護・地域包括支援センターが分担して利用者の安否を確認します。電話・訪問・SNS・近隣情報を組み合わせ、早期に状況を把握。家族にも連絡します。
まとめ
高齢者の災害対応は「事前の備え」がすべて。要支援者名簿への登録、個別避難計画の作成、備蓄、近隣との関係づくりを今日から始めましょう。地域包括支援センターと自治会が頼りになります。
参考文献
- 太田 差惠子. (2022). 『親の介護でやってはいけない』. 翔泳社. Amazonで見る ›
- 太田 差惠子. (2021). 『マンガでやさしくわかる 介護とお金』. 日本能率協会マネジメントセンター. Amazonで見る ›
- 和田 秀樹. (2023). 『老後ひとり暮らしを楽しむ65のヒント』. 幻冬舎. Amazonで見る ›
- 杉山 孝博. (2020). 『認知症の人を支える 心のケア』. 中央法規出版. Amazonで見る ›
※ 上記書籍リンクには Amazon.co.jp アソシエイトを含みます。書籍はあくまで参考情報であり、医療行為の判断は必ず医師にご相談ください。