介護を担う家族の心身の負担は、本人と同じくらい重要なテーマです。「家族が倒れたら共倒れ」を防ぐため、介護職は家族支援の視点を常に持つ必要があります。
1. 家族介護者の現状
主な家族介護者の約7割が女性、年齢は50〜70代が中心です。「老老介護」「認認介護」「ヤングケアラー」「ビジネスケアラー(仕事と介護の両立)」など多様化が進んでいます。
2. 介護うつのサイン
不眠・食欲低下・興味の喪失・自責感・将来への悲観・身体不調が2週間以上続く場合は要注意。「眠れない」「食べられない」「笑えない」が3つ揃ったら受診を勧めましょう。
3. 介護うつのリスク要因
①介護期間が長い ②介護度が重い ③相談相手がいない ④経済的不安 ⑤介護者自身の健康問題 ――が積み重なるほどリスクが高まります。早期介入が鍵です。
4. レスパイトケアの種類
ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)、デイサービス、訪問介護、お泊まりデイ、サテライト型小多機など。「家族の休息」を目的に堂々と使うことを推奨しましょう。
5. 家族会と当事者コミュニティ
認知症の人と家族の会、各地のケアラーズカフェ、SNSの介護家族グループなど、同じ立場の人と話せる場が大きな支えになります。「自分だけじゃない」と感じることが回復の入り口です。
6. 仕事と介護の両立支援
介護休業(93日)・介護休暇(年5日)・短時間勤務制度・介護休業給付金など、法定の支援メニューがあります。会社の人事と早めに相談し、制度を活用しましょう。
7. 介護職としての家族支援
家族の話を傾聴する/努力を肯定する/必要な情報をタイミングよく提供する/専門職への相談を勧める――この4つを意識すれば、家族の心の負担が軽くなります。
まとめ
「介護する人を介護する」視点が、本人の生活を長く支える基盤になります。レスパイト・家族会・両立支援制度を上手に組み合わせ、家族が笑顔でいられる介護を一緒に作りましょう。
参考文献
- 太田 差惠子. (2022). 『親の介護でやってはいけない』. 翔泳社. Amazonで見る ›
- 太田 差惠子. (2021). 『マンガでやさしくわかる 介護とお金』. 日本能率協会マネジメントセンター. Amazonで見る ›
- 和田 秀樹. (2023). 『老後ひとり暮らしを楽しむ65のヒント』. 幻冬舎. Amazonで見る ›
- 杉山 孝博. (2020). 『認知症の人を支える 心のケア』. 中央法規出版. Amazonで見る ›
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