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ボディメカニクスを活かした移乗・移動介助|腰痛予防と安全の両立

介護職の腰痛は職業性疾病の最多。利用者を安全に動かしつつ、自分の身体を守る技術が「ボディメカニクス」です。8つの原則と福祉用具を組み合わせれば、力に頼らない介助が可能になります。

目次

1. ボディメカニクス8原則

支持基底面を広く/重心を低く/重心を近づける/大きな筋群を使う/てこの原理を使う/水平移動を活用/対象を小さくまとめる/身体をねじらない――この8原則が基本です。

2. 移乗前のアセスメント

本人の残存能力(立位・座位保持・足の動き)、認知機能、痛み、当日の体調を確認します。「できる動作はやってもらう」が原則。介助量を見極めることで、本人の自立支援にもつながります。

3. ベッド⇄車いす移乗の手順

車いすを15〜30度の角度でベッドに寄せ、ブレーキとフットサポートを確認。利用者の足を引き、前傾姿勢を作ってもらい、お辞儀の動きで重心移動。介助者は足を前後に開き、ひざを曲げて重心を低く保ちます。

4. 立ち上がり介助の3ステップ

①浅く座り直す ②足を引いて前傾を作る ③お辞儀の動きで重心を前に移しながら立つ。介助者は背中ではなく腰を支え、引っ張らず「方向を示す」イメージで関わります。

5. 歩行介助とリスク管理

麻痺がある方は患側の斜め後ろから、視覚障害がある方は腕を貸して半歩前を歩く。床の段差・濡れ・障害物を予測し、転倒を未然に防ぎます。

6. 福祉用具・移乗機器の活用

スライディングボード・スライディングシート・移乗用リフト・電動車いすなど、ノーリフトケアを実現する用具が広がっています。「人の手だけで持ち上げない」ことが世界標準です。

7. 介助者自身の身体ケア

朝のストレッチ、勤務中のこまめな姿勢変換、勤務後の入浴・温罨法。腰痛予防体操やコアトレーニングを日常に取り入れましょう。

まとめ

「持ち上げない介護」は利用者にも介助者にも優しい原則です。ボディメカニクスを身体に染み込ませ、福祉用具を恥じずに使う文化を職場で育てましょう。

参考文献

  1. 太田 差惠子. (2022). 『親の介護でやってはいけない』. 翔泳社. Amazonで見る ›
  2. 太田 差惠子. (2021). 『マンガでやさしくわかる 介護とお金』. 日本能率協会マネジメントセンター. Amazonで見る ›
  3. 和田 秀樹. (2023). 『老後ひとり暮らしを楽しむ65のヒント』. 幻冬舎. Amazonで見る ›
  4. 杉山 孝博. (2020). 『認知症の人を支える 心のケア』. 中央法規出版. Amazonで見る ›

※ 上記書籍リンクには Amazon.co.jp アソシエイトを含みます。書籍はあくまで参考情報であり、医療行為の判断は必ず医師にご相談ください。

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この記事を書いた人

hasejiiのアバター hasejii 110歳健康寿命プロジェクト 運営者|介護福祉士|デイサービス管理者(経験10年)

1923年生まれを目指して、今日を健康に重ねる。

介護福祉士として、デイサービスの管理者を10年間経験。現場で見てきた「健康に老いるための工夫」と最新の医学・栄養学の知見をかけ合わせ、世界第1位の平均寿命を誇る日本の食事・運動・睡眠・心の習慣を、優しい言葉で紐解いていきます。

「110歳まで自分の足で歩く」を合言葉に、科学的根拠のある情報だけをお届けします。

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