胸がドキドキする。でも病院に着くと、もう治まっている。高齢になるほど、こんな「つかまえにくい不整脈」が増えます。手首の小さな端末が、その瞬間を記録してくれる時代になりました。今日はウェアラブルで心臓と睡眠を「見える化」する話です。
手首が見つける「かくれ不整脈」
年齢とともに増える不整脈の代表が心房細動です。脳梗塞の原因にもなるため、早く気づくことが大切です。日本循環器学会の調査では、80歳以上の有病率は男性4.4%、女性2.2%と報告されています(出典:日本循環器学会)。決してまれな病気ではありません。
心房細動のやっかいな点は、発作が出たり治まったりすること(発作性)です。症状が短いと、病院に着く頃には心電図が正常に戻り、見つからないことも珍しくありません。手首の端末がいつでも記録できる意味は、ここにあります。気になった「その瞬間」を残せるのです。
Apple Watch(Series 4以降)の心電図アプリは、30秒手首に指を当てるだけで記録できます。結果は「洞調律」「心房細動」などに分類されます。Appleの臨床試験では、洞調律の特異度99.6%、心房細動の感度98.3%でした(出典:Apple公式)。さらに2024年5月からは、心房細動の傾向を時間で示す「心房細動履歴」機能も日本で使えるようになりました。
| 機能 | 対応モデル | できること |
|---|---|---|
| 不規則な心拍の通知 | Series 3以降 | 背景で時々チェックし兆候を通知 |
| 心電図アプリ | Series 4以降 | 30秒で記録・医師と共有 |
| 心房細動履歴 | 診断済みの人向け | 傾向を時間で把握(2024年5月〜) |
ただし、これらは診断の道具ではなく「気づきのきっかけ」です。通知が出たら自己判断せず、必ず医師に相談してください。逆に、症状があるのに通知が出ないこともあります。
睡眠とからだも「数字」で見る
ウェアラブルは、睡眠時間や安静時心拍数、歩数なども記録します。毎日の数字を眺めると、自分の体調の「いつもの範囲」が見えてきます。たとえば安静時心拍がいつもより高い日は、無理をしないという目安になります。
大切なのは、数字に一喜一憂しないことです。1日の値ではなく、1週間の流れで見る。これがAI時代の健康管理のコツです。記録は、診察のときに医師へ見せる材料としても役立ちます。「なんとなく不調」を、医師に伝わる言葉に変えてくれるのです。
こうした「自分のデータを持つ」習慣は、健康寿命を延ばす土台になります。検査は年に数回でも、ウェアラブルは毎日あなたを見守ります。点ではなく線で体調をとらえる——これが、長く元気でいるための新しい当たり前です。
73歳の私が続けている使い方
私(長谷川清孝、73歳)は、毎朝コーヒーを飲みながら前夜の睡眠と心拍をひと目で確認します。難しい設定は使いません。「よく眠れた日は調子がいい」——その当たり前を数字で確かめるだけです。完璧を目指さず、続けられる範囲で。これが73歳の流儀です。
選ぶときのチェックリスト
- □ 文字が大きく見やすいか(老眼でも読める画面)
- □ 充電が簡単か(置くだけ充電だと続けやすい)
- □ 心電図・不整脈通知に対応しているか
- □ 家族と記録を共有できるか(見守りに便利)
- □ 価格と月額費用に無理がないか
高価な最新機種でなくても構いません。あなたが毎日つけ続けられる一台が、いちばん良い一台です。あなたなら、まず何を「見える化」してみたいですか。
※本記事は一般的な情報提供です。動悸・息切れ・めまいなどの症状があるときは、機器の表示にかかわらず、早めに医療機関を受診してください。
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次回は月曜日、「食事・栄養」のテーマで、70代のたんぱく質の取り方をお届けします。