ケアマネジャーに払うお金は、一円もありません。
訪問介護やデイサービスには一割から三割の自己負担が出ます。ところがケアプランを作って事業所と調整してもらう部分、つまり居宅介護支援だけは、介護保険から十割が給付されます。介護保険法にそう定められています。
何度相談しても、プランを作り直してもらっても、請求は来ません。
正式には介護支援専門員といいます。制度と暮らしのあいだに立つ人です。
ただし、この前提は揺れている
厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会(第127回、2025年10月27日開催)では、2027年度の制度改正に向けて給付と負担の見直しが議論されており、居宅介護支援への利用者負担導入も論点に挙がりました。
決定ではありません。ただ、無料が永久に続く保証はない。使えるうちに使い方を覚えておく価値はあります。
何をしてくれるのか
| 役割 | やってくれること |
|---|---|
| ケアプランの作成 | 心身の状態と希望を聞き、使うサービスの種類と回数を設計する |
| 事業所との調整 | 訪問介護、デイサービス、福祉用具などを探し、契約まで橋渡しする |
| 毎月の訪問 | 自宅を訪ね、暮らしぶりを見て、必要ならプランを見直す |
| 給付管理 | 限度額を超えないよう、毎月の利用実績を管理する |
| 関係機関との連携 | 主治医、病院、市区町村のあいだに立って情報をつなぐ |
いちばん値打ちがあるのは、最後の連携です。
本人と家族だけで、主治医と病院と役所と介護事業所のあいだを行き来するのは無理があります。仕事を持っていればなおさらです。そこを引き受ける人が制度として用意されている。日本の仕組みで、いちばんよくできている部分だと私は考えています。
どうやって見つけるか
認定結果が届いたら、居宅介護支援事業所を選んでケアマネジャーを決めます。
市区町村が管内の事業所一覧を持っています。窓口でもらえますし、地域包括支援センターに相談すれば、状況に合いそうな先を絞って教えてくれます。厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」でも、住所から検索できます。
ひとつだけ実務的な話をすると、事業所の場所は近いほうがいい。毎月訪問に来てもらううえに、急な相談が入ることもあります。距離は誠意より確実に効きます。
最初の面談で、何を伝えるか
ここからは私見です。統計の裏づけはありません。
初回の面談は、病歴と身体の状態の話で終わりがちです。それも要るのですが、伝えておくと後が変わることが三つあります。
一つめ。一日をどう過ごしているか。何時に起きて、何を食べて、テレビの前に何時間いるのか。ここが分かっていないと、時間の空白を埋めるだけのプランになります。
二つめ。譲れないこと。風呂は自分で入りたい、犬の散歩だけは続けたい。こういう一点があるかどうかで、プランの形が変わります。安全のために全部取り上げるのと、危なくない形で残すのとでは、その後の張り合いがまるで違ってきます。
三つめ。家族がどこまで続けられるか。ここは無理をして多めに言わないほうがいい。半年で息切れするより、最初から正直な線を引いたほうが長く持ちます。
合わなければ替えられる
担当は、利用者の側から変更できます。理由を細かく説明する義務もありません。
いまの事業所に直接言いにくければ、地域包括支援センターか市区町村の窓口へ。間に入ってくれます。
「担当の方に悪いから」と我慢する話をよく聞きます。気持ちは分かります。ただ、これから何年も付き合う相手です。遠慮して合わない人と続けるより、早く替えたほうがお互いのためです。
選ぶときの目安を、私見として挙げておきます。
- 本人に向かって話す。家族だけを見て説明しない
- 「できないこと」より「まだできること」を先に把握している
- 特定の事業所ばかり勧めない。選択肢を複数出す
- 連絡がつく。遅れるときは、遅れると先に言ってくる
- 状態が変わったとき、こちらが言う前に見直しを提案してくる
三つ目を補足します。ケアマネジャーの所属先が訪問介護やデイサービスも運営していることは珍しくありません。それ自体は悪いことではない。ただ、出てくる選択肢が自社ばかりになっていないかは、一度確かめていい。
いま担当してくれている人の顔と名前、すぐに出てきますか。
参考文献
- 介護保険法(居宅介護支援に係る給付)
- 厚生労働省 社会保障審議会 介護保険部会 第127回 (2025年10月27日開催、議事録公開)
- 厚生労働省『令和5年度 介護保険事業状況報告(年報)』(2025年8月28日公表)
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本記事は制度の一般的な説明と、私見にもとづく助言です。個別の手続きやサービス内容は、担当のケアマネジャー、地域包括支援センター、またはお住まいの市区町村の窓口にご確認ください。健康状態や服薬のご相談は、かかりつけ医にお願いします。
次は月曜日、食事の話を書きます。